19日に東京証券取引所に再上場する日本航空(9201)の売り出し(公開)価格が10日、3790円に決定した。公開価格と上場時の発行済み株式数(1億8135万株)から算出した時価総額は6870億円。
日本航空は「今が盛り」、再上場後の成長シナリオが見えない[*1] 2010年1月に会社更生法を適用して以来、大規模なリストラを断行して徹底的にコストを削減し、2011年3月期(1884億円)2012年3月期(2049億円)と2年連続で過去最高の営業利益を更新した稲盛和夫さんの手腕を「素晴らしかった」としながらも、再上場に伴う「成長シナリオ」を示す為には、稲盛改革の逆を行く「路線を増やす」「残っている路線で便数を増やす」のどちらかしか方法はないが、現状ではそのどちらも厳しいと大前さんは指摘する。
売り出し価格が決まったことで、今日(9月11日)のFTにも今回のIPO "second-biggest IPO this year after Facebook" についての記事が出ていたが、
JAL will list next week at a multiple of about five times forward earnings. That is very low. Factor in the corporate tax it will not pay until about 2019 (it has deferred tax assets worth about $4.5bn) and the multiple rises to eight.
経営破綻時に発生した多額の赤字(繰越欠損金)による法人税減の効果(金額にして、4千億円)が何と!2019年まで継続。売り出し価格でのPER(株価収益率)は他の航空会社と比較して割安の5倍となり(法人税減の効果を抜きにしても、8倍で割安)、たった3年前に倒産した会社が!今回の再上場により、時価総額で一気にANA(約6400億円)を抜き去る。
ということで、本心は分からないが、ことあるごとにJALに対して批判的な姿勢を見せているANAが、JALの再上場を前にして、株式総会直後の7月に2000億円の大幅な増資を行なったこと(結果、株価は大幅に下落)をJALが佐賀空港から撤退して以来のANAファン且つ一株主として一旦、理解した。
全く関係無いけど、何年か前にANAもJALも国内線で飲みもの出すの止めたけど、LCCは別として、知る限りそんな航空会社どこにも無いので、止めた方がいいと最近ふと思った。
[*1] http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20120625/313742/
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