夢物語を吹聴する仏のオランド氏、それを見抜けないメディアと国民-他人事ではない日本の事情[1]
先の大統領選でサルコジを破り、「成長すれば緊縮策をしなくてもいい」、「緊縮より成長」という考え方を持つ、フランス大統領オランドは、その公約を読む限り、典型的な「大きな政府」路線で、人気取りのバラマキ政策だと大前さんは言う。個人的には、企業でさえ成長していくのが難しい市場で、政府主導で国が成長していくことなど不可能に近いとフランスに対してはそう思っていたのだが、それはさておき。ユーロに残りたいという国民が70%いながら、緊縮策は受け入れないという人が過半数になっているギリシャの状況と併せて、「誰の目にも明らかな選択肢のいいとこ取り」に負けてしまう国民とそのような論理矛盾を暴けないジャーナリズムを問題とし、これは日本の問題そのものでもあると指摘する。
米国製造業の「国内回帰」は虚構にすぎない-これも明日は我が身の問題[2]
次に、企業が生産拠点を海外へ移す「オフショアリング」に対して、海外の生産拠点を再び自国に戻す「リショアリング」によって米国の製造業が国内回帰しているとFinancial Timesなどで報じられているのに対し、その規模から見てリショアリングの動きは本物では無く、米国でオフショアリングの動きは継続しており、その姿は明日の日本の問題だと指摘する。確かに、営利を目指す中で一旦外に出した生産拠点を戻そうと考えることは、普通に考えて無いだろう。
さらに、内容としては上記[1]と特に変わり無いが、【“第二のギリシャ化”もあり得る「野田政権」 衆愚政治をひた歩む我が国日本の将来は (週刊ポスト 2012/6/8号)】では、国家債務が1000兆円を突破しGDPの200%を超える現実がありながらも、消費税の増税にはこぞって反対する国民の姿と、昨今の政治の状況を指し、このまま行くと日本はギリシャ化の道を歩む可能性が高いと指摘する。
このように次々と日本を憂う姿を見て、他人事かよ大前さん。と言わざるを得ないが、そうで無いのが大前さん。
【政治家&国民が破綻を回避する政策を選択しない 衆愚・日本に残された唯一の道は「イタリア化」だ (週刊ポスト 2012/6/15号)】で、アパレル、靴、鞄、宝石、機械、ワインなど1つの産業で世界に知られ、経済的に自立した町が約1500もあるイタリアのような仕掛けを作ることは、国家の悪行や破綻から自分の生活を自分で守るために、日本が目指すべき1つの方向だとし、この個人および町単位で自衛するイタリア型の突破口として大阪を挙げている。
前月に引続き橋下市長推しの継続だが、確かにイタリアはいわゆる地方分権を考えるときにスペインと同じく非常に参考になる面白い国だなと妙に納得した。行政の仕組みなどは詳しく知らないが、ヨーロッパの他の主要な国々と比較して、町ごとに個性あるし、サッカーを見てても、国としてのまとまりみたいなものには若干、欠けるしな。
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