読もう読もうと思いつつ、塩漬けとなっていた余りにも有名な大作を読了。フィクションとは言えども、多くの部分が実際にあった話と酷似していると思うので、その前提で書くが、ナイロビ、カラチ、テヘランと流され遺族係を経て会長室部長となった後の人事、物語としての結末が予想にもしなかったもので、正直マジかと。
以前より、ナショナルフラッグ・キャリアとは何ぞや?と疑問に思っていたのだが、恥ずかしながらJALが以前は半官半民であったことを初めて知った。「きたえた翼は、強い。」とは最高の皮肉だが組合が乱立し、倒産状態となった今でもOBが自分たちの既得権益である年金にしがみ付く背景が理解できた気がする。2011年に読むと、総理から三顧の礼で迎えられたり稲盛会長がモデルとしか思えないような、物語中の国見会長であるが、そのモデルとされている伊藤淳二という財界人が実際にいらしたことも初耳で、己の無知を恥じる。
物語全体を通して、人間は私利私欲でしか動かないのかと思えるくらいの様々な人間模様が描かれるのだが、その中でどのような苦境に陥ろうとも信を貫く主人公とそれを支える家族の姿は、ひとつのロールモデル。
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