数あるダービーマッチの中で、ルール工業地帯を舞台とした欧州屈指のルールダービー(ドルトムントvsシャルケ)を体感しに、アウトバーンで一路、ドルトムントへ。ゲームを楽しむよりも、スタジアムを中心としたその街の雰囲気を楽しむ為に、サッカー観戦をしている部分が大半を占めるのだが、ドルトムントという街は今まで体験したことの無い、これぞブンデスリーガ!という8万超の男声が織り成す最高の雰囲気を醸し出していた。オールドトラフォードが夢の劇場と語られるが、その姿はまさしくオペラ。
試合の方は、今シーズンより名将マガトを迎えて復刻を目指す、シャルケが終始試合を有利に進め、これまたドイツらしい粛々と1vs0での勝利となった。
今まで数あるスタジアムを訪れてきたが、特筆すべきはアクセスとはけの良さ。日本では、国立がトップであるが、スタジアムからスムースに出れるか、電車にスムースに乗れるかというこの2点、サンシーロとは雲泥の差。そして、スタジアム全体の面積のコンパクトさは見習うべきものがある。客席を急勾配にするというのは基本であるが、縦のスペースが飛行機の座席のように完全に1人分しか無く、隣の人に立ってもらわないと移動できない、その造りがこの大きさでこのキャパシティを生み出しているのだと。
初めて、ドイツ南部のスタジアムを訪れた訳であるが、一切の無駄なく、サッカーを楽しむだけにあるんだなという印象を受けた。やはり、ブンデスリーガ侮れませんなと。
2部昇格が決まった、デュッセルドルフでの3部リーグの試合に何と満員の5万人が集まったという、世界でも屈指の集客力を誇る、ドイツブンデスリーガの2008-2009シーズン最終戦。マイスターシャーレに王手を掛けた、ヴォルフスブルクは長谷部のインターセプトを起点とした先制点から怒涛の5得点により、初タイトルを手にした。先週、プレミアの優勝決定の瞬間に立ち会ったのだが、今回初体験したドイツのそれは笛が鳴った瞬間サポーターがピッチに雪崩れ込むという想像し難い光景。正直、あぁ田舎のチームだから所詮こうなってしまうのかと最初は残念に思ったのだが、ピッチに入ったサポーターを咎める者は誰も無く、そしてサポーター自ら選手とハイタッチを交わすぐらいで、そそくさと観客席に戻る。
恐るべしドイツ。
大久保が移籍してきたのを機に、1月から数えてこれで5回目のヴォルフスブルク戦だったが、これまで其々20点以上を獲っているジェコとグラフィッチの決定力が結局、最後まで力を発揮することができなかったバイエルンと比較したときに大きな違いとなって出たのではないかと感じる。そして、「厳しい」ことで有名な名将マガトの手腕も詳しくは分からないのだが、相当なものなのであろう。
シーズン途中、試合に出れない時期もあったが、いつの間にかホームもアウェイも関係なく完全にスタメンを張るようになった誠さんも、ジョッキを片手に、浦和を出てからここに来るまで相当努力したんだろうなと容易に思えるようなホームでの雄姿であった。夜の祝勝会では、タキシード姿でワーゲンのオープンカー(これは、ワーゲン凄ぇなと。)で颯爽と乗りつけ、他の選手と変わらぬサポーターからの温かいコールを受けていた。しつこいですが、ヴォルフスブルクに留まらずもっと上に突き進んで欲しい。ちなみに、あなたが日の丸を巻いたその姿には、ぐっと来ました。
ヴォルフスブルクは、ハンブルクから南に電車で約2時間。車で行くともっと早いらしいのだが、人口12万人の本当にフォルクスワーゲン一色の町。中央駅からすぐそこに工場がデカデカとそびえ立ち、右側に立派なスタジアムを望む。中央駅逆側には、一通りの店が揃い、買い物に便利そうな中心街。1つの企業が成功すると、完全に1つの町が作れてしまうんだなという典型例。とは言っても、世界においても有数だと思うのだが。
この日のスタジアムは相当盛り上がっていたが、キャパ3万人でかなりいい雰囲気を造成していた。ちなみに、スーパーサッカーで、いかにも長谷部の交代時にウェーブが起こったように言われていたが、ブレーメン名物のウェーブをブレーメンサポーターが発生させたのが本当の所。さらに、大久保についていろいろな報道がなされてようだが、この日はスタジアムでもセレモニーでもその姿を見ることはなかった。大敗ムードが漂い、ブレーメン側はこの試合にモチベーションが無かったのが大きく要因していると思うが、ブレーメンサポーター含めて初タイトルのお祝いムード一色であった。ストップ・ザ・バイエルン完結。
完全に、町の人全員が街に出てきたと思われたくらい、相当な人でごった返した試合後の中心部での優勝セレモニーは、18時ぐらいから引っ張り倒して選手が到着したのが21時過ぎ。それまで、飲めや歌えやで大騒ぎ。こういうやり方は、ビール大国で且つ小さなクラブが優勝できるドイツならではと思うのだが、まぁ最高でした。ただ、You will never walk aloneやケセラセラを歌いながら選手を待っちゃダメでしょと、これからはリヴァプールやマンUを敵にして戦っていく訳だから・・・そんなところも含めて、おらが街のチームの優勝良かったです。そして、そのような貴重な経験をさせてもらった長谷部及び大久保に感謝。若干、プレミアに惹かれつつあった己の興味がブンデスリーガに呼び戻され、そしてやはり地元ハンブルクでのこの光景をみるべく、足繁くスタジアムに通うことを誓う。HSVもこの日の試合で、来年のヨーロッパカップへの出場権を滑り込みでゲット。来年の決勝は、ハンブルクである。
ビーレフェルトvsヴォルフスブルク@ビーレフェルト
大久保が加入してから連勝街道を驀進し、またたくまに2位となったマガト率いるヴォルフスブルクを観戦するのも今年4回目。この日は、大学時代のサークルの後輩が遊びに来て、ハンブルク、ブレーメン、ヴォルフスブルクと何れもアウェイの週末だった為、DBで3時間ほどの地球の歩き方に登場しない街、ビーレフェルトに足を伸ばした。率直に言うと、さほど有名でも無く下位に甘んじるチームで、スタジアムにしてもそれに付随する施設にしても「しょぼい」のであるが、キャパの小ささから来るピッチへの近さと、ゴール裏は試合開始前からフルに埋まるサポーターの熱さは特筆すべきものであった。初めて、電車でブンデスリーガを見に行ったのだが、通過するブレーメンからはドルトムントへと向かうサポーター、帰りには何故か終点、ハンブルクへ戻るブレーメン、ドルトムントのサポーターと一緒になり、常にビールを飲むドイツの土曜を体感できた。ビーレフェルトからもう少し行くと、サッカー熱の高いルール工業地帯。近いうちに、訪れたい。
一切、何も無い・笑 ビーレフェルトの中央駅
大久保、長谷部共に控え組だった為に、至近距離で鳥かごを堪能できた・・・期待し続けております!
来週は、代表戦。点獲って来い!!
フランクフルトvsヴォルフスブルク@フランクフルト
無事?にオーストラリア戦をドローで終え、いわゆる海外組が戻ってきた週末、ブンデスリーガでの日本人対決を見に、一路フランクフルトへ。ひさしぶりに見た、埼スタを彷彿とさせる綺麗なコレオグラフィ。やはり、人の間隔を詰めることと1人1人が持つ奴をデカクするのがコツなんだなと。さて、Kicker紙によると、大久保はスタメンの予想だった為、あわよくば3人がスタートからピッチに立つことも想像できたのだが、スタジアムについてみると写真の通り、右下のヴォルフスブルク先発組に長谷部、右上サブ組に大久保、左上フランクフルト(スタメン、サブ分かりにくいが。)のサブ組に稲本という結果であった。ヴォルフスブルクはアウェイではワントップを取るようで、大久保はサブで、逆に長谷部がスタメン。稲本は体調もあると思うが、一時毎試合スタメンを張っていたものの最近はあまり試合に出れていない模様。ちなみに、フランクフルトのサポーターからお決まりの「イナモト!」と声を掛けられたのは本日1回・笑
大久保がヴォルフスブルクに来て、生2試合を含めてかなり注目してきたが、(今月末はハンブルクにいらっしゃいます。)長谷部のそれと違って、未だ全く認められていない模様。それもこれも、未だ結果を出していないからであろうが、少なからず毎試合出番がある中で是非とも結果を!まこっさんについては、普通にチームの中でも目立っていたので、(今日は、1本点を獲れた。)当然の如く毎試合スタメンでもっと活躍して頂き、是非ともドイツを出てビッグクラブへと旅立って欲しいものです。引き続き、応援させて頂きます。
海外組ホームツアーは、俊輔セルティックに続いて2度目。フランクフルトはかつて高原が活躍したチームでもあるが、まず最近のブンデスリーガの潮流と逆行してサポーターが少ない。とは言っても3万強は入っていたが・・・ フランクフルトはECBの本部を置く、ドイツ経済の中心地。いわゆる、都会気質なのであろうか。HSVやブレーメンのホームで敵として何度か見てきたが、基本的に弱い。今日の試合も極寒の気温と見事にマッチする、お寒い内容。稲本よ、この程度のチームなんだから、せめてスタメン張ってくれよと。今シーズンで最後?の俊輔を始めとして、ポルトガルの相馬、ノルウェーの小林大悟と代表クラスがいろんなところで頑張っている。今回、ブンデスリーガの土曜日は余裕で日帰りで行けると分かったので、ブンデスリーガと海外組そして、ワールドカップ予選をキーワードとして今年も、いろいろな街を訪れたい。
フランクフルトはドイツ各都市及びヨーロッパ各国へのトランジットで訪れる機会も多々あるでしょうから、行き方を紹介しておきます。
簡単に言うと、空港から1駅(stadion駅下車)と鬼のように近いので、是非稲本を応援しに行って下さい!(駅から中心街に出る方向のSバーンに乗ります。)
駅を降りて、ソーセージをほうばり、ビールを飲みながら人に沿って歩くと、公的資金注入スタジアムに到着。近っ・笑
ザンクトパウリvsヴォルフスブルク@ザンクトパウリ(ハンブルク)
大久保が冬期休暇明けのブンデスリーガ後期開幕戦で1アシストという結果付きのデビューを果たしたことが日本では比較的好意的に報道されている模様。サッカー好きドイツ駐在員からすると、日本人のFWが来るというだけで相当テンションが上がっているのだが、premiere(日本で言う、スカパー的な有料放送。ちなみに、ドイツも日本と一緒で基本的に地上波では生では見れない。)でバッチリ観戦する。年明けから、練習試合、カップ戦と常に大久保をスタメンで起用してきたマガト監督。リーグ戦で、思いっきり梯子を外し、ベンチスタート・笑。しかも、長谷部は最後まで使われず・・・厳しいな、やはりトップリーグはというのが正直な感想。日本では、ブンデスリーガの放映権はフジのCSが持っているので、たぶん映像は流れていると思うのだが、あのアシストは大したアシストでは無く、決定機2本をポスト直撃を含めて決め切れなかったのが痛いところ。ただ、0vs1の後半残り20分から出てきてドローで終わった全体的な雰囲気の中では、まずまずの評価がされるのでは無いかと思う。と思って、大衆紙Bildのサイトをチェックしてみましたが、やはりゴールを決めた彼は写真付きで載っていますが、大久保のことには一切触れていません・・・
ということで、1週間前のテストマッチにザンクトパウリを訪れたのは2度目。チームに日本人が2人居るのは相当、羨ましいなと。長くなったので、あれなのだが、とりあえず大久保と長谷部で練習時からずっとつるんでいるように見えるのは止めた方がいいのかなと思った。大久保もそこら辺は、スペインでの経験があるので、十二分に分かっているのだと思うけれど。とりあえず、近いうちにヴォルクスワーゲンの本拠、ヴォルフスブルクのスタジアムを訪れたい。
アメトークで土田から、全てにおいて80点と見事に揶揄?された、まこっさんも、ブンデス組では最も安定したレギュラー。既に、風格すら漂う。
ブレーメンvsフランクフルト@ブレーメン
2002年、日本がトルコに負けた日。稲本のユニフォームを着ていた、先輩と稲本を見に再びブレーメンへ。個人的にも中盤の底はやはり稲本だと常々思っているのだが、それもこれもやはり2002年の日本中を興奮の渦に巻き込んだあのイケイケっぷりが忘れられないから。それにしても、稲本が凄いのはチームを転々としつつもいわゆるトップリーグでスタメンを張っているところ。ということで、こっちに来てからは初めて、かなりひさしぶりに稲本を見たのだが、その感想を語るまでもなく、結果が5vs0と流石チャンピオンズリーガー、ブレーメンがホームで格の違いを見せつけた内容となり、何とも残念な試合となった。スタジアムではウェーブが止まらず、盛り上がりまくった為、写真もスタジアムを出る際に、やべぇ的に撮ってしまってこの有様。アウェイだったのかどうかは定かでは無いが、勝負がついた後を除けば、稲本が上がる場面は数えるほどしかなかった。基本的には、得点を取るようなところは期待されていないのかなと感じた。しかし、この試合はディエゴに貼る場面が多かったのだが、常にこういう環境でやっているのは改めて凄いなと思う、今日この頃であった。代表でも期待しております。
ブレーメンvsシャルケ@ブレーメン
ハンブルクからアウトバーンを使って約1時間。「宿敵」ブレーメンのホームスタジアムを訪れる。「地球の歩き方」によるとブレーメンは、人口54万人とのことだが、ガッツリ4万強のsoldout。スタジアムは街の中心部にあり、スタジアム周辺は完全に交通規制がかかり、少し離れた所にある駐車場から大量の無料シャトルバスが運行。まさしく、町を挙げての週末、ブンデスリーグといった感じであった。かの奥寺康彦氏が所属したブレーメン。スタジアムが本当にこれで4万人も入るのか?といったコンパクトさでテレビで見たプレミアのようなピッチへの近さ。さらに、ほぼバックスタンド中央の良席だったのだが、HSVと比べてもチケットが格段に安い。BECK'Sのご当地であることも含めて良いことずくめの町であった。
試合の方は、バイエルンに続くチャンピオンズリーグ出場権を得ることができ、現在混沌としている2位グループの直接対決であったが、ディエゴ(ちなみに、ヴェルディの奴では無い。)の縦横無尽の活躍で5vs1でブレーメンの解消。HSVが痛恨の負けを期したこともあり・・・スタジアムは最高の盛り上がりを見せたのであった。
HSVと同じく、ハンブルクをホームとするブンデスリーガ2部所属、FCザンクトパウリのゲームを観戦。HSVのようなビッククラブでは無く、庶民的という表現が正しいのかは分からないが、とりあえずスタジアムが掘っ建て小屋のようでこれぞ欧州サッカー的な雰囲気。ビールを飲み、煙草を吸い、ゴール裏にごったがえすという。
ちなみに、クラブカラーが黒でシンボルがドクロマークというとんでもないチームなのだが、男声で盛り上がること盛り上がること。ドイツ語が分かるようになった頃には、ゴール裏に足を運び、共にチャントを唄いたいと思う、今日この頃であった。
試合後は、近くのギリシャ料理屋でバイエルンvsHSV戦を観戦。HSVが先制した後、バイエルンが追いついたときの店の歓声が大きかったのには、やはりそうかと(笑)
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