ようやく暫定監督エニングが解任され、過去、2部降格の危機からチームを救ったというステフェンスが監督に就任かと思われた矢先、交渉に失敗し(たらしい)、シャルケに強奪され、そうこうしているうちにコーチライセンスを持った輩がチームから居なくなり、終にはディレクターのアルネセンが監督としてベンチ入りすることが決まり、ザンクトパウリとの入替戦云々という話がハンブルクで出始めた頃、これぞまさに起死回生、FCバーゼルを2期連続の優勝に導いた現役バリバリの名将フィンクの招聘に成功。しかも、契約が2014年までということで、近い将来のチャンピオンズ・リーグ出場、そして念願のマイスターシャーレが夢では無くなり、意気揚々とスタジアムへ。
フィンク監督は、初陣となった前節の難敵ヴォルフスブルク戦を内容を持った形でドローとし、この日がリーグ戦2試合目。前節のスタメンで、ペトリッチとゲレーロを2トップでスタメンから起用した辺り、監督就任の際に述べていたように「攻撃的に行く」姿勢が十二分に現れており、さらに左サイドのスペシャリスト、元セレソンのヤンセンを先発で使う点は、さすが分かってらっしゃるなと感心した限り。ヤンセンはいつも動きがイマイチなのは否めないが、実は左足のクロスは精度とスピードを兼ね備えたワールドクラスなのだ。しかもこの日は、クロスバー直撃のロングも1発出た。
先述の通り、「攻撃的に行く」戦術は、キックオフの後しばらくして、ピッチ全体を俯瞰したときに、前の方にたくさん選手が居ることが確認できたときに確認でき、今まで前に人数が揃っていることはここ数年で皆無に等しかったので恥ずかしながら、ようやく始まったかと若干、感動してしまった。カウンターを喰らったときの、2vs2あるいは2vs3という状況を見て、ドイツの強いチームはこうやってリスクを犯して点を獲りに行くんだなと妙に納得したものである。
「金も有り、選手良けれど監督ダメ、あ~HSV。」と言い続けて久しいが、やはりその通りだったのだなと。
この日は、前半早々にそれなりの観戦歴を持つ自分でもなかなか無いレベルの明らかな誤審で新生ライコビッチが1発退場となり、さらに我らがセンターフォワード、ゲレーロのスーパーなゴールも無駄に取り消され、ハンブルクにしては珍しく、スタジアムの雰囲気もそれなりのものであったが、そんな中でも常に冷静な態度を示していたフィンク監督を見て、これは本物だぞと。就任の際に述べていたもう1つの言葉で、昨今のHSVに最も欠けていた「観客に楽しんで貰う」サッカーをフロント、スタッフ、サポーターの皆で作り上げていける確信を得て、帰路に着くことができた。カイザースラウテルン戦にも関わらず、ほぼ満員だったし。どうやら、ディレクターのアルネセンはこれからも続けてベンチに入るようだが、そう言えば「一体感」的な言葉も語っていたな。何とサッカーを分かっている監督なんだ。しかも、めちゃカッコいいし。(未だ、ブンデスクラスタの女性のみなさんには浸透していないが。あれはあまり女性受けしないのか?)
とかなり纏まりの無い文章となってしまったが、私のこれまでのサッカー人生に掛けて、近い内にHSV上がってくるよと宣言しておくことにする。冬に監督が欲しい選手を数人獲って来れれば、さらに素晴らしいのだが。
最近のコメント