「貧困のない世界をつくる」ことを使命とする世界銀行の副総裁を勤められた、西水美恵子さんの著作。大学時代ゼミで開発経済学を齧らせて頂いたが、恥ずかしながら世界銀行がIMF(国際通貨基金)と同時に設立されて姉妹機構と位置付けられ、それなりの存在感を持つことを初めて知った。(もしくは、残念ながら忘れてしまっていた。)
パキスタンのムシャラフ将軍(後の大統領)やブータン国王等、「国をつくる」というのが大袈裟でも何でも無いくらいの大物が多数登場し、正に天下国家を語る話が盛り沢山。著者の言葉を借りると「草の根を歩き巡り、貧村やスラム街にホームステイをし、体を耳にする」。目的の為に、徹底的に現場主義である点、凄いの一言に尽きる。日本を憂う著者の思いが、たまに表現される。1人でも多くの、頭とハートがつながったリーダーが様々なコミュニティの中に存在することが重要だとつくづく感じる。そして、自分もそう在りたい。
結局、人だと一旦結論付けた開発経済。現時点で、間違ってはいないようだ。
本著、必読。
国をつくるという仕事 | |
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