著者は、「人物破壊(character assassination)」を、標的とする人物を実際に殺さないまでも、その世間での評判や人物像を破壊しようとする行為とし、それにさらされる小沢一郎という形で、「霞が関」、マスコミといった日本のシステムについて考察をしている。
『日本 権力構造の謎』という名著を持ち、実績は十分であるはずの著者が何故、このようなある意味安っぽい表題で本を出したのか(中身は秀逸)甚だ疑問であるが、(数は伸ばせるだろうが、読むべき層に届かなくなるのでは?)あるべき姿に向けて現状、日本のシステムが抱える最も重要な問題を的確に表現していると言える。本当にそうなのかは知る由も無いが、現状の体制、秩序の維持を主要命題とする彼らが最も忌み嫌うのが従来のやり方、慣習を変えようとすることだと。
今回の選挙を見ても、本当の意味での政治主導としていくのはかなりの困難を極めるなという印象。最近のいわゆる優秀な東大生たちは、一定層がきちんと官僚へと流れているのだろうかという素朴な疑問。
誰が小沢一郎を殺すのか?画策者なき陰謀 | |
カレル・ヴァン・ウォルフレン 井上 実 角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-03-02 売り上げランキング : 275 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
最近のコメント