2部昇格が決まった、デュッセルドルフでの3部リーグの試合に何と満員の5万人が集まったという、世界でも屈指の集客力を誇る、ドイツブンデスリーガの2008-2009シーズン最終戦。マイスターシャーレに王手を掛けた、ヴォルフスブルクは長谷部のインターセプトを起点とした先制点から怒涛の5得点により、初タイトルを手にした。先週、プレミアの優勝決定の瞬間に立ち会ったのだが、今回初体験したドイツのそれは笛が鳴った瞬間サポーターがピッチに雪崩れ込むという想像し難い光景。正直、あぁ田舎のチームだから所詮こうなってしまうのかと最初は残念に思ったのだが、ピッチに入ったサポーターを咎める者は誰も無く、そしてサポーター自ら選手とハイタッチを交わすぐらいで、そそくさと観客席に戻る。
恐るべしドイツ。
大久保が移籍してきたのを機に、1月から数えてこれで5回目のヴォルフスブルク戦だったが、これまで其々20点以上を獲っているジェコとグラフィッチの決定力が結局、最後まで力を発揮することができなかったバイエルンと比較したときに大きな違いとなって出たのではないかと感じる。そして、「厳しい」ことで有名な名将マガトの手腕も詳しくは分からないのだが、相当なものなのであろう。
シーズン途中、試合に出れない時期もあったが、いつの間にかホームもアウェイも関係なく完全にスタメンを張るようになった誠さんも、ジョッキを片手に、浦和を出てからここに来るまで相当努力したんだろうなと容易に思えるようなホームでの雄姿であった。夜の祝勝会では、タキシード姿でワーゲンのオープンカー(これは、ワーゲン凄ぇなと。)で颯爽と乗りつけ、他の選手と変わらぬサポーターからの温かいコールを受けていた。しつこいですが、ヴォルフスブルクに留まらずもっと上に突き進んで欲しい。ちなみに、あなたが日の丸を巻いたその姿には、ぐっと来ました。
ヴォルフスブルクは、ハンブルクから南に電車で約2時間。車で行くともっと早いらしいのだが、人口12万人の本当にフォルクスワーゲン一色の町。中央駅からすぐそこに工場がデカデカとそびえ立ち、右側に立派なスタジアムを望む。中央駅逆側には、一通りの店が揃い、買い物に便利そうな中心街。1つの企業が成功すると、完全に1つの町が作れてしまうんだなという典型例。とは言っても、世界においても有数だと思うのだが。
この日のスタジアムは相当盛り上がっていたが、キャパ3万人でかなりいい雰囲気を造成していた。ちなみに、スーパーサッカーで、いかにも長谷部の交代時にウェーブが起こったように言われていたが、ブレーメン名物のウェーブをブレーメンサポーターが発生させたのが本当の所。さらに、大久保についていろいろな報道がなされてようだが、この日はスタジアムでもセレモニーでもその姿を見ることはなかった。大敗ムードが漂い、ブレーメン側はこの試合にモチベーションが無かったのが大きく要因していると思うが、ブレーメンサポーター含めて初タイトルのお祝いムード一色であった。ストップ・ザ・バイエルン完結。
完全に、町の人全員が街に出てきたと思われたくらい、相当な人でごった返した試合後の中心部での優勝セレモニーは、18時ぐらいから引っ張り倒して選手が到着したのが21時過ぎ。それまで、飲めや歌えやで大騒ぎ。こういうやり方は、ビール大国で且つ小さなクラブが優勝できるドイツならではと思うのだが、まぁ最高でした。ただ、You will never walk aloneやケセラセラを歌いながら選手を待っちゃダメでしょと、これからはリヴァプールやマンUを敵にして戦っていく訳だから・・・そんなところも含めて、おらが街のチームの優勝良かったです。そして、そのような貴重な経験をさせてもらった長谷部及び大久保に感謝。若干、プレミアに惹かれつつあった己の興味がブンデスリーガに呼び戻され、そしてやはり地元ハンブルクでのこの光景をみるべく、足繁くスタジアムに通うことを誓う。HSVもこの日の試合で、来年のヨーロッパカップへの出場権を滑り込みでゲット。来年の決勝は、ハンブルクである。
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