母校が箱根をトップで走る姿がこんなにも気持ちいいものかと!
リンク: 東京新聞:早稲田 往路V 駒野5人抜き うちにも『山の神』:スポーツ(TOKYO Web).
新春恒例の第84回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)第1日は2日、東京・大手町から神奈川県箱根町までの往路5区間、108・0キロで関東の19校と関東学連選抜の計20チームが争い、早大が5時間33分8秒で12年ぶり13度目の往路優勝を果たした。
昨秋の全日本大学駅伝優勝の駒大が1分14秒差の2位。3位はトップに1分59秒差で山梨学院大が入った。優勝候補の一角、東海大は早大に4分56秒差で8位。前回、完全優勝した順大は山上りの5区(23・4キロ)で小野裕幸が途中棄権した。
早大は3区(21・5キロ)で故障を抱えるエース竹沢健介が12位から5位まで引き上げ、5区で主将の駒野亮太が区間賞の走りで6位から5人を抜き、首位を奪った。
3日の最終日は5区間、109・9キロの復路を実施する。順大の復路はオープン参加扱いで区間成績は認められない。
4区終了時点で、首位と1分27秒差の6位。それでも早大の渡辺監督はためらいなく「往路優勝を狙っていこう」と伴走車から声をかけた。5区の駒野は腹を決め、「きつくても前へ前へ行こう」と猛追を始めた。
緩やかな上りの最初の5キロは15分13秒。好スタートでまず3校をかわした。駒大に並んだのは8キロすぎ。並走して11キロ手前で首位の山梨学院大を抜いた。12キロ付近で駒大も振り切った後は一人旅。顔をしかめながら、芦ノ湖まで駆け抜けた。
5区は3回目。昨年は“山の神”と称された順大の今井正人(現トヨタ九州)を後ろから眺め、「絶対的なスタミナが必要」と痛感した。今季は夏に1カ月1100キロほどを走り込んだ。持久力で自信を深めたことが、区間賞となって表れた。
世界選手権一万メートル12位のエース竹沢が直前に故障したのも、早大にとってけがの功名となった。1区の尾崎や4区の中島らが「自分が頑張らないと」と奮起。格上の選手に食らいついて上位を守り、5区の逆転につなげた。3区にまわった竹沢も7人抜きの区間賞。自分の結果には控えめに喜び、「うちにも“山の神”がいて良かった」とおどけて駒野に感謝した。
大学創立125周年の年に、往路優勝で近年の低迷から脱した。当然、「総合優勝も」と期待は高まる。しかし、復路の戦力は駒大や東海大に劣るのも確か。渡辺監督は身の丈をわきまえ、大きなことは言わない。ただ「逃げているチームに強みはある」とほくそ笑む。エンジ色のユニホームが勢いに乗って復路も躍動すれば「往路優勝・総合3位」という目標も難しくはない。 (平松功嗣)
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