高校時代に小さいテレビデオの中で、「論理」とは何かを叩き込んでくれた恩師。最近、予備校講師が社会人向けに本を書くのが流行っているが、その先駆けと言ってもいいだろう。その内容は記憶に無いが、普段は真面目腐った笑いの一切無い講義の中、年に1回行なわれる、その風貌からは想像し難い、己のどうしようもない受験生活、大学生活の話はまさに鉄板。いわゆる文学少年で非常におもしろい人であることは印象に残っているのだが、その出口先生が初めて小説を出したという。1人の女性を肉体と想念という観点から、それぞれ1人の人間として其々との関係を自分自身の死という観点も交えて描いていくのだが、超現実的な世界に生きている?自分からしてみれば結構わかりづらかったというのが正直な所だが、何とも言い難いちょっと怖い内容であった。ただ、一気に読むことができて非常に面白かった点、さすがだなと。続編を期待。
水月 | |
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